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兵庫県と神戸市は5月21日、住宅の耐震工事への補助事業の申請書類420件、計1億6500万円分について、住友不動産の社員が、03年度から09年度にかけて、契約日を改ざんしていたと発表した。県と市は、05年度以降の計364件、1億4800万円の補助金の返還を住民に命令する方針で、住友不動産が代わって負担するようになる。住友不動産の手口は、補助申請をする前に契約した場合に、契約日を申請後にずらしているもので、神戸市民が阪神大震災の辛い経験から作り上げた制度を悪用した住友不動産の姿勢は、補助金返還だけで済まされる問題でない。そもそも、大地震が起こったとき、素早く救助や応急措置を行うのは、地元の建設業者だ。耐震助成制度は地元住民への補助と同時に、もしもの時に頼れる地域業者の育成の観点で大いに活用すべきだ。この事件を契機に、耐震助成制度の要件の一つに「地元企業への発注」をいれるべきではないか。 (住まいのネットワーク56号はこちら)
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