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国交省は来年度概算要求の中に省エネリフォームや耐震改修など中小住宅生産者の技能向上を目的とした人材育成支援策を盛り込むことを決めました。これは中古住宅市場の活性化を目指すにあたり、良質な中古住宅に欠かせない多能工的なリフォーム技術・技能者の育成が急務という判断から実施するものです。
省エネ改修や、耐震改修、伝統工法などの技術講習の補助を一本化しこれらを網羅したあらたな中小住宅生産者に向けた人材育成補助事業にしていく方針です。詳細はこれから検討するとしていますが、補助事業を実施する団体・事業者は公募していくとしています。しかし、すでに全建総連傘下の各組合では、大工技能者を育成する職業訓練校を持っており、これらの職訓校への補助金は毎年引き下げられてきました。また、職訓校以外に、これまで若い青年を入職させ大工技能者を育成してきたのは町場の中小工務店であり、日本の大工技能を支えているのはまさにこれらの中小工務店です。
これまでの「育成」と名のつく助成金は総じて「雇用保険への加入」が支給の条件になっており、中小工務店の経営実態には即しておらず、雇用保険を基本とすれば実効性のある補助金とはならないでしょう。新しい補助制度を作るにあたって新しい団体などを作るのではなく、あらためて既存の職業訓練校への補助金を見直したり、「雇用保険の有無を問わず」若年大工を雇用し育成する中小工務店への補助を行うなど、実効性のある補助制度の創設を求めていく運動が求められています。
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