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定額助成30万円に予算150億円、自治体が怠ければ助成受けられず
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【緊急耐震助成】
10月20日、国交省は今年度の補正予算案に盛り込んだ、「住宅の改修等の緊急促進施策」を発表し、国交省内で各県担当者向けの説明会を開催した。国交省の助成金額は、今までの制度に加え、一戸あたり30万円の定額補助をするものだ。しかし、助成金は自治体を経由するため、自治体が国に対し手を挙げなければ、その制度が使えないことがわかった。
新・成長戦略で耐震化率95%へ
このたび正式に発表された緊急耐震促進制度は政府が新・成長戦略で位置づけた、「2020年までに住宅の耐震化95%(※現在の新・耐震基準適合率)」という目標を達成させるためのものだ。実は、これまでも国は2015までに耐震化率を90%まで引き上げることを目標に掲げ、全国の自治体に「耐震促進計画」を作らせて来たが、基本的に自治体に丸投げだったため、大地震が起こる可能性が比較的高いといわれる愛知や静岡などの東南海地域でさえ、住宅の耐震化はほとんど進んでこなかった。新成長戦略の95%という数字はこれまでの目標をさらに上回ることから、国としては国民の耐震への意識を急速に高めるために今回の定額30万補助に踏み切った格好だ。
自治体の負担なしで30万円補助
この新補助制度を活用すれば、たとえば補助率23%で上限60万円の補助を行っているさいたま市では、200万円の耐震改修を行った場合は現行の43万円補助に30万円が上乗せされ、合わせて73万円の助成を受けることができるようになる。現在、制度のない自治体では、自治体の負担なしで30万円のみが補助されることになる。
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新たに補助制度を整備する例 |
緊急耐震助成で地域経済活性化へ
しかし、今回の補助制度を活用するためには、活用を希望する自治体が事業申請をしなければならないものになっており、言い換えれば、自治体担当者の怠慢により、助成を受けることのできない住民が生まれることにもなる。そうさせないよう、埼玉土建では12月の議会を見据え、自治体への働きかけを行っていく。また、その際には耐震助成制度の要件に「地域業者への依頼」をいれさせ、今回の助成制度をリフォーム助成制度のような地域経済の活性化につなげる要請も併せて行う。
国は今回の助成制度の予算150億円を使い切るためにマスコミを使った宣伝なども行うだろう。国民の住宅耐震化への意識が急速に高まることが予想されることから、耐震技術を仕事に生かす大きなチャンスととらえていくべきだ。埼玉土建では次の日程で耐震セミナーを計画している。組合のセミナーを受講し、耐震技術を身につけ仕事に生かしてほしい。
(住まいのネットワーク62号はこちらから)
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