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基準の方向性は夏ごろに具体化
このところ次世代省エネ基準の義務化が取りざたされていたが、11月20日、国交省は2020年までにすべての新築建築物に対して省エネ基準への適合を義務付ける案を正式に発表した。適合させる基準は現行の次世代省エネ基準ではなく新設する方向で検討を進めている。
三省共同で推進
国交省と経産省、環境省の3省は「低酸素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」と「住宅・建築物の省エネ基準の適合義務化に関する検討会」をそれぞれ2010年6月に設置、住宅の省エネ基準義務化に向けた議論をスタートさせてきた。
11月12日に開かれた「低酸素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」の第2回目の会議でなかで「とりまとめ骨子案」が示され、具体的な義務化までの工程表も示された。
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省エネ義務化に向けた行程表
国交省のHPからの閲覧が可能だ |
新・省エネ基準対応できるかが死活問題に
その中で、?住宅の省エネ基準義務化は2020年までに実施?現行の次世代省エネ基準ではなく、トップランナー基準に近く少しレベルを下げた新基準を策定する、?新・省エネ基準は今年の夏ごろに示されること、?建築確認の審査対象に加えること、などが示された。一方、国交省は義務化までの課題として、?既存ストックの省エネ化に向けては、補助や税制等の支援が必要、?中小事業に対し、省エネ義務付けが経済活動に支障が及ばないよう配慮が必要、などを挙げている。国交省が課題として認識しているよう、我々の仲間にとっては新省エネ基準に対応できるかが、死活問題になってくる。現時点で、次世代省エネ基準に対応しきれていない工務店はまだまだ多い。
しかしながら、エコポイントで示されたように、省エネに対する消費者の要求は高く、温室効果ガス削減の流れからいっても、中小住宅事業者も省エネ義務化を避けては通れない。また、省エネ義務化は住宅産業に襲ってきた変化の流れの最終段階と言っても過言ではなく、大工・工務店自身も省エネに対応できるよう、学習が必須だ。
工務店に不利にならない仕組み必要
3省は今回の住宅エコポイントで、結局はサッシメーカーや大手しか儲かっていない実態を作ってしまった前科がある。住宅会社の下請けとしての存在も含め、住宅産業を支えているのは町場の大工・工務店であり、我々の仕事に不利にならない仕組みにさせることが必要だ。組合でも全建総連を通じ、工務店の声を国交省に向け届けていく。
(住まいのネットワーク63号はこちらから)
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