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情報誌「住まいのネットワーク」
【緊急耐震促進助成】ほとんどの自治体で実施されず-菅政府パフォーマンス優先-
阪神大震災から16年が過ぎたが、行政の耐震に対する意識はまだまだ低い
阪神大震災から16年が過ぎたが、
行政の耐震に対する意識はまだまだ低い
今年度補正予算150億円が予算化された、住宅の耐震改修に国庫から定額30万円を補助する
「緊急耐震促進助成」は制度の使いづらさにより、ほとんどの自治体で実施されない見込みだ。

本予算から補正予算に前倒し

菅内閣は新・成長戦略の中で耐震改修活性化による景気浮揚効果を経済対策の柱の1つに据えた。緊急耐震促進制度はそれを誘導する施策で、今年度補正予算で150億円が計上された。国交省は
この助成制度を来年度予算の中で実施する予定だったが、菅政府のパフォーマンスにより今年度の補正予算の中での前倒しが決まった。助成を受けるには地方自治体による国への事業申請が必要になっている。

実態とかい離した制度に

耐震改修は、消費者の?耐震性に不安から診断を行い、?検討、工事を決断と言う流れになっている。金銭的な問題が大きく、診断を行っても耐震改修まで踏み切れない消費者の方が圧倒的に多いのが現実だ。この緊急助成はその消費者の背中を押す制度ではあるが、それでも、診断から決断まで一定の時間を要するものだ。
しかし、来年度予算から繰り上がり、補正予算での実施になってしまったことで、自治体は今年度中に助成の対象者を特定し、その枠の中での事業申請をしなければならなくなってしまった。

多くの自治体で実施されない制度に

埼玉県内では組合の申し入れにより、新座市、三郷市、草加市などが実施に向けて準備を進めることとなったが、ほとんどの自治体で「対象者を探す期間が足りない」ことを理由として、実施を見合わせられてしまった。今回の耐震緊急促進助成制度は菅政府のパフォーマンスありきの予算配分により、
ほとんど活用されないものになりつつある、しかし、最終的にはこの補正予算を使い切るために、業界が混乱するような制度を打ち出す可能性が大きく組合でも全建総連を通じ、実情にあわせた耐震促進効果のある施策を求めていく必要がある。
(住まいのネットワーク64号はこちらから)
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