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【中古住宅リフォームトータルプラン検討会】-工務店はホームセンターの下請けに-
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国交省は新成長戦略の中で2020年度までにリフォーム市場の倍増(12兆円)、中古住宅市場の
倍増(約8兆円)を目標に掲げているが、このほど、住宅業界関係者や有識者による
「中古住宅・リフォームトータルプラン検討会」を設置した。6月下旬には案をまとめる予定だ。
ホームセンター系の進出が鮮明に
この「中古住宅リフォームトータルプラン検討会(以下検討会)」は、政府が新成長戦略やこの間の
住宅政策を「ストック重視」に切り替え、中古住宅市場の活性化を目指す上で、住宅リフォームと
市場整備に向けた様々な課題を議論するために立ち上げたものだ。
討論のテーマは?消費者のニーズ・行動の現状、市場規模の現状と今後、?リフォーム:瑕疵保険、事業者選択サイト、悪質業者排除対策、?リフォーム瑕疵担保保険、建物調査など、?中古住宅の魅力アップ、価格査定、?技術開発と事業者育成、規制緩和、助成策、など6分野で検討を行うとしている。委員として参加する住宅業界関係者の中には全建総連や全建連などの町場工務店の立場の委員もいるが、ホームセンター業界の代表としてコーナン商事?の西村専務が加わるなど、明確に異業種の参入方針が明確になっている。
集客は家電量販店とホームセンターで
会議ではリフォームに関する意見が集中した。富士経済の消費者調査によるとリフォーム市場は依然地場工務店が最も多くシェアを占めていることがわかった。しかし、工務店シェアは前年度に比べ
マイナス8.7%になっており、代わりにシェアはまだ少ないものの、ホームセンター系がプラス0.7%、
ヤマダ電機などの家電量販店系は前年度比プラス49%と大きな伸びを示しており、リフォーム市場のシェアが大きく動いていることが明らかになった。国交省はこの実態を踏まえ、今後の住宅市場は
「ホームセンターや家電量販店が集客し、施工は工務店が行う流れを期待したい」という意思を示した。これは、リフォーム分野では町場の工務店はホームセンターなどの下請けなれということだ。
住宅エコポイントなども含め、この流れを国交省が誘導してきたことが鮮明になったといえる。
町場の声を反映させるべき
しかし、家電量販店やホームセンターは職人の技術・技能の向上に責任を持つはずはなく、この方針は職人の技術・技能の伝承や地域の住まいを維持管理する工務店の存在を根底から崩すものだと言える。この流れを止めるために、組合でも全建総連を通じ、町場住宅事業者の意見を反映させることは当然行っていくが、一方で、地域に顔を見せる取り組みを積極的に行い、地域の家守りとして不可欠な存在になっていくことが必要だ。
(住まいのネットワーク65号はこちらから)
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