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仮設住宅建設、県外大手が独占地元業者の手による施工わずか
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被災地では仮設住宅建設が急ピッチで行われているが、仮設住宅のほとんどが県外の大手住宅メーカーに発注され、災害復興のもうひとつの側面である、地元業者へ発注する地元経済対策という目的を無視している実態が明らかになった。
発注をプレハブ業界に丸投げ宮城県では約2万3千戸の仮設住宅の建設が進められており、内1万7千戸が着工・完成しているがそのほとんどが県外の大手プレハブメーカーへの発注となっている。宮城県では仮設住宅の発注を県が一括管理、市町村は用地確保を行っていた。県は業者選定を資材の調達と一緒に東京のプレハブ建築協会に委任してしまう。プレハブ協会は大手住宅メーカーで組織されており、当然受注は大手住宅メーカーがすることになってしまったのだ。地元からの批判を受け、宮城県では施工能力を持つ県内77建設業者リストを作成し、各市町村の仮設住宅発注枠を急きょ設けたが、人手不足の自治体はこのリストをほとんど活用せず、結局県が代行、プレハブ協会への丸投げをし続けている。
村井・宮城県知事はスピード重視の成果を強調しているが、地元業者からは「地元に仕事が落ちないのはひろい意味の復興に逆行している」などの批判がでているほか、品質よりスピードを重視したのか、不良施工の問題も数多くでている。
地元業者を活用すべき地元の業者を活用すれば、復興に回る予算が被災地域にまわると同時に、建築された仮設住宅の修繕やメンテナンスを含めて責任を負うことができ、被災地域の利益につながったはずだ。いまだかつて経験したことのない災害後の復興だからこそ、自治体には被災者、被災地域の雇用確保、経済対策などあらゆる観点に立って、皆の利益になるような行政運営が求められているのではないか。
(住まいのネットワーク69号はこちらから)
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